アクティブ特許商標事務所は丸11年を迎えました

アクティブ特許商標事務所は今月の11日で丸11年を迎えました。細々とやり続けることができています。あまり忙しくしすぎないことが長くやることのコツかなと思います。しかし変化がないのは衰退に繋がりますので、忙しくし過ぎず、かつ、新しいことを少しずつ始めています。今後ともよろしくお願いします。

明細書は明確に

常日頃からこころがけていますが、自分の文章を他人に理解して貰うことの難しさを痛感しています。心がける点としては

・係り受けを分かりやすくするために1文を短くする。

・主語を明確にする(受動態ではなく能動態で記載する)

小説や論説などの文章と特許明細書の文章の違いの1つは、一文の短さにあると思います。翻訳を意識し、あえて一文を短くします。一文が短くなると読みやすさは若干犠牲になりますが、それよりも文章の内容を明確にすることを優先するイメージです。具体的には一文が3行以上になるとよろしくないようです。

スタートアップ企業とベンチャー企業は似ているようで違う?

日本では今までベンチャー(企業)という言葉はよく使われていませんでしたが、スタートアップ(企業)という言葉はあまり耳にしないという方もいらっしゃったのではないでしょうか。私もあまり意識していませんでしたが、米国では「大企業がスタートアップ企業を○○ドルで買収」というニュースをよく聞いていた気がします。

改めて違いを調べてみたところ、興味深いウェブサイトが見つかりました。

https://comemo.nikkei.com/n/n1f3f67104650

こちらの記事によりますと、スタートアップは、「急成長するものとして設計されている会社」と定義されているようです。確かにスタートアップ企業の代表は、売却目的で企業をある程度成長させて大企業に売却し、その資金で次のスタートアップ企業を立ち上げるという方も多い気がします。売却対象には知的財産も含まれますので、スタートアップ企業と知財はとても相性が良いと思われます。

どの業界でもアコギなことをする人はいます

NTTやKDDIの関連会社を名乗って、インターネットプロバイダを変更しませんか、電話回線サービスを変更しませんか、という電話が今でもよくかかってきます。知財業界でも似たようなサービスを行っている業者がいるようです。あたかも公式サービスかのようなサービス名を名乗り、特許や商標の更新サービスを行っている業者です。違反ではないけど普通はやらないだろうというラインギリギリを攻めてくるのであまりよい感じはしません。

具体的な方法は、期限が切れそうな特許や商標をデータベースでピックアップして、権利者に安く更新できますという通知を出します。一見特に問題なさそうです。

多くの特許事務所では特許や商標の期限「管理」をします。「管理」をしますので、期限徒過に対する責任があります。その対価として、管理費用を含めた更新手数料を請求します。しかし、業者は「管理」をしません。データベースで期限が切れそうな権利をピックアップして連絡をするだけです。仮に連絡をしなくてもそこに「責任」はありません。連絡をせずに権利者が期限徒過をしたとしても「責任」がないため、安い費用で受け付けることができます。更新手続自体は、専門家にとって簡単な手続です。しかし、「管理」は誰であっても大変なはずです。その管理を怠り、おいしいところだけを持って行けばよい、という考えはどうなのでしょうか。

良いときもあれば悪いときもある

弊所は中小ベンチャー企業をメインのお客様にして頑張っております。それは、大企業から定期的に仕事を受注する多くの特許事務所が、企業が主、特許事務所が従の関係になっていることを目の当たりにし、折角独立したのに、他社に束縛されているような関係は私が望むところではないと思ったからです。

多くの人は、大企業から定期的に仕事を受注できれば、経営が安定し、中小ベンチャー企業をメインのお客様にすると不安定な経営を強いられるのではないかと考えると思います。しかし実際はそんなことはありませんでした。一旦回り始めると、不思議とここまで極端な波もなく売り上げを上げることができました。しかし、それでもやはり波の上と下の差は、定期的に仕事を受注する特許事務所に比べると大きいと思われます。下のときに、じっと耐えて良くなるのを待つ、という考え方もありますが、私はどちらかというとそういうときこそ積極的に動いて新しい道を切り開こうと考えます。