特許や商標の期限管理について
NTTやKDDIの関連会社を名乗って、インターネットプロバイダを変更しませんか、電話回線サービスを変更しませんか、という電話が今でもよくかかってきます。知財業界でも似たようなサービスを行っている業者がいるようです。あたかも公式サービスかのようなサービス名を名乗り、特許や商標の更新サービスを行っている業者です。違反ではないけど普通はやらないだろうというラインギリギリを攻めてくるのであまりよい感じはしません。
具体的な方法は、期限が切れそうな特許や商標をデータベースでピックアップして、権利者に安く更新できますという通知を出します。一見特に問題なさそうです。しかし、困る点があります。
多くの特許事務所では特許や商標の期限「管理」をします。「管理」をしますので、期限徒過に対する責任があります。その対価として、管理費用を含めた更新手数料を請求します。しかし、業者は「管理」をしません。データベースで期限が切れそうな権利をピックアップして連絡をするだけです。仮に連絡をしなくてもそこに「責任」はありません。連絡をせずに権利者が期限徒過をしたとしても「責任」がないため、安い費用で受け付けることができます。更新手続自体は、専門家にとって簡単な手続です。しかし、「管理」は誰であっても大変なはずです。その管理を怠り、おいしいところだけを持って行けばよい、という考えはどうなのでしょうか。
2024/8/20追記
実際の更新のお知らせの通知をあるお客様に見せてもらいました。次回の更新について管理をするという記載は全くありません。つまり、この業者に更新を依頼すると、たしかに「今回」の更新は行ってくれます。しかし、次回の更新についてはどうでしょう。上記と同じく、代行屋には「責任」がありません。今回の更新を代行屋に依頼すると、恐らく多くの特許事務所は「本件については弊所にて管理を行いませんので、次回からの更新はお客様自身でお願いします」ということになるかと思います。次回の更新期限を代行屋が知らせてくれるとは限りません。期限を徒過してしまったときの責任は100%権利者になります。そうならないように気をつける必要があります。
2024/08/20 タイトルを変更しました