今日は、特許の侵害調査をしていました。簡単に言うと、ある製品に含まれる機能が他人の権利を侵害していないかどうかを調査するお仕事です。

やり方を簡単に説明すると、以下のようになります。

(1)製品に含まれる機能に該当しそうなキーワードを考えてピックアップします。

(2)そのキーワードを用いて特許公報や特許公開公報のデータベースを検索します。

(3)キーワードに引っかかった特許公報や特許公開公報の特許請求の範囲を読んで、製品に含まれる機能の全てを実行しているかどうかを判断します。製品に含まれる機能の全てを実行している特許請求の範囲を含む特許があれば、特許を侵害しているということになります。※ここでは特許が有効なものとして記載します※

しばらく調べていて気がつきました。多くの特許請求の範囲に、余分な限定事項が入っています。例えば、製品のアイデア部分にバネが使われており、特許請求の範囲にもバネという言葉をそのまま書いたとします。この場合、他人がゴムを代用品に用いた製品を製造している場合、文言上は、権利範囲から外れてしまいます。

この場合、弾性体という上位概念を記載しておけば他人がゴムを用いようがバネを用いようが権利範囲に入ってしまいます。従って、特許請求の範囲を記載する際に、本当にバネでなくてはいけないのか、弾性体という上位概念で広く書けないのかを考えるという作業が必要になります。私が発見したケースでは、上位概念にしても特に問題がないケースが散見されました。

また、他の例では、余分な手段が入っているという場合もありました。例えば、アイデア自体は暗号化してもしなくても実現できるのに何故か特許請求の範囲には暗号化手段が入っていたり等、この場合他人が暗号化をしていなければ、文言上は、権利範囲から外れてしまいます。

このように余分な限定事項が入っているため、助かったというパターンがいくつかありました。

恐らく本人も書いているときは気づかないのでしょう。気をつけなければ誰にでも起こりえるミスですから、今日の調査で改めて考えさせられました。

アクティブ特許商標事務所 弁理士 井上真一郎