外国関係

海外代理人の能力と費用は比例しない?

最初にことわりをいれておきます。あくまで私の所感です。

おかげさまで弊所は今年で設立10年目を迎えました。クライアントのおかげで世界各国に外国出願をするという体験ができました。ここで感じたのが、表題の「海外代理人の能力と費用は比例しない」ということです。

日本の特許事務所は手続き毎に費用を固定しているところがほとんどです。これに対し、海外の代理人はタイムチャージで費用を請求するところが多くあります。理想は、能力の高い海外代理人は短時間で仕事ができるため、タイムチャージは高いが請求時間が短いということになります。逆に能力の低い海外代理人は短時間で仕事が終わらず、タイムチャージは低いが請求時間が長くなるはずです。また、仕事の質も悪いということになります。

しかし、中には能力が低いにもかかわらず請求額は高い、正規の手続きとは別に謎の費用を諸経費としてねじ込んでくるという困った代理人がいます。もらう応答案も今イチで、私が再検討する必要があるため、私のタイムチャージも増してしまいます。もちろん顧客のためにもなりませんので、早急に新たな海外代理人を確保して入れ替えるという手続きを行います。

今までの経験上、安くて良い仕事をしてくれる海外代理人に共通する特徴は、「首都から離れた場所に事務所を構えている」、「規模はあまり大きくない」、「日本人がいない」があります(私個人の所感で、勿論例外もあります)。

最後の「日本人がいない」はあまり関係ないのかなとも思いますが、日本人がいる外国の特許事務所は、多くの場合規模が大きく、費用が高くなる傾向にあります。「規模があまり大きくない」のは、1人の特許弁護士が1つの会社の案件を引き受けることが多くなるため、関連特許を出願した場合に内容を理解してくれやすく、それだけタイムチャージが少なくなることが考えられます。「首都から離れた場所に事務所を構えている」のは恐らくオフィスの費用が抑えられ、価格を下げることができるのだと思います。