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ディープラーニングを用いた特許についての考察

ディープラーニングを使った特許の調べ方としては、どのようなものがあるのでしょうか。

特許庁のデータベースにJ-platpatというものがあります。こちらの入力部分にディープラーニングといれて検索ボタンを押すと、本日(2017/12/12)時点で17件ヒットします。

内容を見てみますと、特許公報(特許になったもの)は0件で、全て公開公報(出願から1年半経過して公開されたもの)です。

一番右の欄に筆頭IPCというものがあります。これは、簡単に言うと特許庁が同じカテゴリの発明について割り振った記号です。発明が複数のカテゴリに属している場合は、複数のIPC番号が割り振られます。筆頭IPCを見るとバラバラですね。これは、「ディープラーニング」という用語が特許明細書の中に入っていても、発明の内容がバラバラであることを示しています。

発明の内容を見てみても、ディープラーニングを用いずに、既存のアルゴリズムを用いても実現できそうなものもあります。果たしてこのようなものは、特許になり得るのでしょうか?

特許になるためにクリアしなければいけない要件として進歩性というものがあります(特許法第29条第2項)。

特許法第29条第2項は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者が先行技術に基づいて容易に発明をすることができたときは、その発明(進歩性を有していない発明)について、特許を受けることができないことを規定しています。

特許庁が公表している審査基準の進歩性のpdfの8頁目には、進歩性を否定する例として、「湿度の検知手段に特徴のある浴室乾燥装置の駆動手段として、ブラシ付きDCモータに代えて、周知のブラシレスDCモータを採用することは、均等物による置換にすぎない。 」と記載されています。

これを踏まえると、「既存のインプットから既存のアウトプットを出力する場合のアルゴリズムとして、従来のアルゴリズムに変えて、ディープラーニングを採用することは、均等物による置換に過ぎない」と言われ、特許を受けられない可能性があります。

結局、審査基準に記載されてるように、進歩性の要件をクリアするには、

・引用発明と比較した有利な効果を奏すること(新しいアウトプットが出力されていること)等の要件を満たしているか

等になりそうです。

追記1:

上記検索方法は、あくまで一例であり、日本で公開されているディープラーニングに関する特許が17件しか存在しないということではありません。ディープラーニングという用語そのものを使っていなくても特許明細書の作成は可能ですので、動向を知るには色々な側面(キーワード、カテゴリ)から調査を行う必要があります。

追記2:

特許・実用新案のタブを選択すると、パテントマップガイダンスというものがあります。

そちらのキーワード検索にてディープラーニングと打ち込むと、結果は0件です。これは、特許庁がディープラーニングというカテゴリで発明をとりまとめていないことを示してます。

今後、新たなカテゴリが登場する可能性がありますので着目していきたいと思います。

 

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