商標

外国への商標登録出願のために

先日は、外国に商標登録出願をするために、大使館に行ってきました。

何故大使館にいくかというと、現地の代理人に送る委任状(Power Of Attorney)の認証(legalized and notarized)手続が必要だったからです。

国によって、認証が必要だったり不要だったりします。(感覚的には認証が不要な国の方が多いかもしれません)

この認証手続がなかなか厄介で、この認証を受けるためには、公証役場にて公証を受ける必要があります。

公証役場にて公証を受けるためには、出願人に登記簿謄本や印鑑証明等、色々な書類を用意して貰う必要があります。

まとめると、認証を必要とする国の外国に出願するためには以下の流れになります。

(1)出願可能な現地代理人を探す(ほぼ全ての現地代理人が英語で対応可能)

(2)見積を取る

(3)お客様(出願人)に金額の了承をとる

(4)現地代理人から委任状のフォームを送って貰う。

(5)お客様に委任状にサインして貰う+必要な書類を用意してもらう

(6)公証役場にて公証を受ける(公証費用発生)

(7)公証を受けた委任状について、各国大使館にて認証を受ける。

(8)現地代理人に委任状を郵送する

(9)現地代理人に商標を出願してもらう

上記(7)の認証を受ける際のルールも各国様々で、

公証を受けた文章を事前にFAXすればチェックしてくれる国、FAXではなくpdfにしてメールでの送信を要求する国、事前チェックを受け付けてくれない国等様々です。

また、認証には費用が発生し、その金額も各国様々です。さらに、振込方法もクレジットカードが使えたり、銀行振込しか受け付けてくれなかったり、事前に振込をして書類提出時に領収書の提示が必要だったり、書類提出後に振込を受け付けてくれたり、本当に国毎にバラバラです。

例えば、書類を郵送できる国もあれば、郵送できない国もあります。例えばUAE大使館は、郵送を受け付けてくれませんので、持ち込みが必要になります。足を運び、入り口でセキュリティチェックを受けた後に、窓口に書類を提出します。まるで異国に来た感覚です。

また、アフガニスタン大使館は、郵送でも受け付けてくれますが、折角ですので足を運んでみました。こちらはUAEほど入り口のセキュリティが厳しくない印象です。しかし、周りには大国の大使館も多く、警備の警察官の数も半端ではありませんでした。

今までやったことがない手続については、緊張でドキドキすることもたくさんあります。しかし、1度経験してしまえば、次からは落ち着いて手続をすることができます。貴重な経験をさせて頂くお客様には感謝です。

2018年3月2日追記

郵送で気をつけなければならないのは、普通郵便は届かないことがある(国によっては届かないことが多い)ということです。

過去に南アフリカ共和国の現地代理人から普通郵便はやめてくれと言われたことがありました。この時は、国際宅急便で送りました。

のちに、EMS(国際スピード郵便)の存在を知り、郵便局でEMSを出していましたが、なんとアフガニスタンではEMSの取扱いがありませんでした。仕方がないので、配達情報が分かる国際書留郵便の航空便で送りました。無事に届いてくれれば良いのですが。

2023年2月24日追記

アラブ首長国連邦は、2021年12月28日から日本の商標登録出願や登録商標をベースにして国際商標登録出願が可能となりましたので、日本の基礎出願があればここまで大変ではなくなりました。